第三話
「襟首はしっかりと」


その後の展開はこうだ。

この野郎はキョンというらしい、そして昨日の一件を俺に話すのだが俺にはまったく身に覚えが無い。

昨日のゲームセンターに行ってからの記憶は曖昧なのだ。

勘違いやらなんやらで話はかなりこじれたが要訳すると、

「ストリートファイターWを教えて欲しい」

だそうだ。
理由を聞いてみたら

「ハルヒの興味をそっちに持っていかないと世界・・・じゃなくて、
ちょっとゲーム大会に出ないといけなくなったんでその為です。」

俺の返答はこうだ、
「ゲーム大会ね〜まあ、教えてくれっていうのはなかなか気持ちのいいもんだから教えてやるよ。」
かなり有頂天なのが自分でもわかる。

自分で言ってて語尾がいやらしい。



【場所:北高】
そんなこんなでこのキョンという男に連れられて他校(北高)まで来てしまった。
他校に来るのは初めてだ、ちょっぴり緊張する。

・・・というか入っていいのか???

「キョン、遅ーーーーーい!!一体何秒待たせる気!?」

そんな疑問をこの男に投げかける間もなく、校舎の窓から美しい罵声が鳴り響いた。

キョン「秒単位は酷いと思うぞー」
キョン「お姫様がお待ちかねみたいなのでちょっと急ぎますよ」

俺(か、飼いならされてやがるこの男)

キョン「ちなみに断じて飼いならされているわけでは無いからな。念のため。」
俺 「自覚はあるみたいでなによりだ。」
キョン「ぐっ、、さあ!急ぐぞ!」
図星だったのか、顔を赤くして前を歩くこの男について行くとそこには、

部室?であろう部屋。
お茶を入れるメイド。
ストリートファイターWの筐体。
俺の前に仁王立ちで立ちはだかるハルヒとかいう女。



どこからつこっめばいいかわからん。


ガシ!
ハルヒ「やっと来たわね!さあさっそく始めなさい!
私達に必勝法をさくさく教えるのだ!!」

満面の笑みで襟首締め上げられた俺は、やっと昨日の出来事を思い出す事が出来た。

そういやこんな場面が昨日あったな・・・・

それにしても、この女は襟首締め上げないとまともに人と会話出来ないのか???


キョン「手を離せハルヒ、それが人にモノを頼む態度には到底見えんぞ。」
女の手から俺を開放してくれたのはやはりこの男であった。

ハルヒ「ふん、わかってるわよ! みくるちゃん!出番よ!さっき練習した通りにやりなさい!!」
メイド女「ふぇ〜や、やらないとダメなんですか〜!?!?」
ハルヒ「やらなきゃ死刑よ!!」

ハルヒとか言う女に言われ、一歩前に出てきたメイド服の女は胸のまえで手を組みを上目づかいに
「え〜と、その、ごご主人様、え〜と〜」と何やら言ってきたので
俺「あ〜もう、わかったわかった何でも教えるから!!」と割り込んだ。

恥ずかしいわボケー!!

ハルヒ「そう、やっとやる気になったのね!」
俺「ぐ、、、」
なんかとてもムカツク女だ。

キョン「すみませんコイツ馬鹿なんで許してやってください。」

俺の心境を察したのかフォローを入れてくるキョンとかいう男、なかなかやるじゃないか。

ハルヒ「聞こえてるわよ。」
キョン「ハ!スミマセンデアリマス!!」


ハルヒ「じゃあ早速必勝法を教えなさい!」
俺「必勝法ね〜〜
その前に質問いいか?」
ハルヒ「何よ?」

俺「どうしてココにストリートファイターWの筐体があんの??オンラインまで繋がってるし・・・」
素朴な疑問を口にしてみた。

キョン「その件については何も聞かないでくれ頼むから」
と横からすごい暗い顔したキョンが割って入ってきた。

?という顔でメイド服の女の方を向いてみたら、 口元に人差し指を添えて「禁則事項です」との事。なんじゃそりゃ。

ハルヒ「細かい事はいいからいいからさっさと教える!」

なんか納得はいかないがまあいいか・・・

俺「必勝法、必勝法って言うけどそんなのは流石に無いぞ?」
ハルヒ「無いの!?」

俺「いやいやそんな声出されても困るがな、せいぜい俺に出来るのはある程度強くする事ぐらいかな?」

ハルヒ「それはどれくらい強くなれんのよ?あたし達は優勝目指してんのよ!」

俺「う〜ん、優勝か〜、あんたら次第かな?」
ハルヒ「ふん!まあいいわ、その”ある程度強く”ってのを教えて貰おうじゃない。」

か、かわいくねぇ女ー!!

キョン「あまりそいつの言う事は気にせず、俺達をちょっと鍛えてくれよ」
俺「ん?あ、ああ」


微妙におかしな空気を感じるが、自分の得意分野を人に聞かせれるのはちょっといい気分だ。
なので若干偉そうな感じにはなってしまったが、俺によるストリートファイターW初心者育成講座が始まった。



--あとがき--
自分の書きたい事を中々書かせてくれないのが涼宮ハルヒと愉快な仲間達。 初心者の方にとって取っ付き易いプレイガイド的なモノを書くのが本来の目的なのに〜〜!!
泣き言も後だ!!がんばるさ!



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