第二話
「バニーとメイドと魔女」


翌日の学校にて。

不思議な日だ。
昨日、何があったのかよく覚えていない・・・不思議だ。

普段なら学校をサボってゲーセンに行く月曜日なのだが、
今日は気まぐれで学校に来てしまった。

しかも真面目に授業を受け、下校時刻の今にいたる。

「たまにはいいか、帰ってゲーセンに行こう・・ゲーマーに休みは無いからな!!」

つい、強きな独り言を言ってしまう。


・・・・問題は、

なぜか校門付近に人だかりが出来ていて非常に帰りにくい事だ。

邪魔だ失せろ!
とか思ちゃう自分が素敵。


人だかり?何それ?俺には関係ないね、無視して帰ろ帰ろ。 と視界を前方から外さず無心で進む俺は、


黒とベージュの何かに”襟首を掴まれていた”。


胸! 太もも! ウサ耳!! 

という情報が瞬時に頭に浮かんだがそれっきりだった。

【人間は突然の出来事に対してあまりにも無力である。】
俺はこの言葉を後世に語り継ぐであろう事を確信したぐらいだ。

半分以上あっちの世界に旅だっている俺に対してウサ耳星人はこうおっしゃいました。

「迎えに来てやったわよ!ありがたく思いなさい!」

聞き取れなくもない言語を聞けたので
この時やっと俺はウサ耳星人がバニーガールのコスプレをした若い女だと認識する事が出来た。

「バニーガール???」俺の口から無意識に漏れた言葉に対し、
「そうよ」と答えるバニーガール。

わかりません。
バニーガールに襟首掴まれてます、わかりません。

とりあえず襟首の手を無理矢理引き剥がしながら言ってやった。
「なんか用か?バニーガールの姉ちゃん?」

今日はキレ所とアドレナリンが足りていたので言葉で威圧する。
(【キレていい時にはキレる。】これも後世に語り継ごうと固く心に誓った。)


???「ふぇ〜ご、ご、ごめんなさい!!私はやめようよーって 、でも 、でも、〜」
と、いきなりメイド服の巨乳が一歩乗り出して、俺に謝ってくる。

?!??メイド!?バニーにメイド!??!???

バニー「みくるちゃんはいいから黙ってなさい!ちょっとアンタもう仕事放棄?無責任すぎない!?」

俺「仕事?放棄?なんの事かわかんねーよ!ふざけんな!!」

俺はアドレナリン全開である。
人間、理解不能な事態には怒りを持って行動するのがとても安直だが利にかなっているのだな〜としみじみ思う。

かと言って女を殴るのもどうかと思うし、ここはまだ校内だし・・・
という事でかまわず帰る。めんどくせぇ。


???「待つ。駄目。」
と帰ろうとした所を今度は袖を掴まれる。

・・・魔女?いや魔女のコスプレをした小柄な女に袖を掴まれた。

俺「離せよ!!」
と力任せに振り離した・・・はずなのだが、振り離した分だけトトトトと袖を掴んだまま移動する魔女。

俺「離せ!」
と再度力任せに振り離しても、魔女の手から袖は離れなかった。


おかしい・・・女の握力でこんな事が可能なのか???
の割りに袖にはまるで風船が付いてるような感覚・・・・


バニー「ナイスよ!有希。そのまま捕獲しちゃって!」
魔女「(コク)」

バニーの指示を受け魔女は俺のもう片方の袖を空いている手で掴み、やる気なさそうに

「うごけばころす。」

と言いやがりました・・・・


・・・・一体何なんだこいつらは、あまりの事態に言葉が出ない。
早くここから逃げたい。


回りの野次馬ども、見てないで助けろ。いやタスケテ。
先公はまだか!!


救いは野次馬の中から現れてくれた。

???「すいません、ちょっと通してください〜」
と人垣を割ってこの空間に乱入してきた野郎がバニーを止めてくれたのだ。

「ハルヒお前、そんな格好で一体何をやってるんだ!!」
「見て解らないのキョン?特別顧問のお出迎えよ!!」

「じゃあこの騒ぎは一体なんだ!?お前一体何をやった!?」
「知らないわよ!いつもこうなんじゃないの!?」
「んなわけあるかーーー!!」


救い・・・なのだろうか??俺ははだはだ疑問に思った。
余計に状況が悪化したような気がする。


「わかったわかったとにかくこの人を部室まで連れていけばいいんだな?
ハルヒも朝比奈さん達もここは俺にまかしてとりあえず部室に帰りなさい。」

「まかせたわよキョン!」
「ふぇ〜わかりました〜」
「(コク)」

放心状態の俺ではあったが、やけに堂々とウチの校門を出て行くコスプレ三人組を視界に治める事ぐらいは出来たみたいだ。

興味を失ったのかちりじりに散って行く野次馬達。

残るは俺とさっきの野郎。2人の間を嫌〜な沈黙が舞降りる。
肌寒い風が俺を撫でてはいるが、心地良いと思ったのは初めてなんじゃないか?。



--あとがき--
適当SSですが、無理矢理でもある程度のこじつけは必要と思って書いたら・・・1話分使ってもーたー!

涼宮ハルヒはアニメでしか知らないからキャラ立ってないかも・・
でも後悔は後だ!!



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