第十話
「刺し合い 前座」


「なぜ!?なぜなの!?全然勝てないわよ!!」

「ハッハッハッ!よく見ろ、考えろ、盗め!条件は一緒だぞ?」

「く〜みてなさいよ!次こそはギッタンギッタンのメッタメタにしてやるんだから!」


翌日、学校でたっぷり睡眠をとった俺はいきようようと北高に来てスト4を教えている最中だ。

ちなみにコンパネは4台あるので今日は不満は出ないだろう、というかなんであるんだ??


まあいいや、今教えてるのは対戦の骨組みとも言える刺し合い。


互いに同じキャラを使い、同じ技のみで戦う縛りプレイで刺し合いを学ぼうという趣旨だ。

ハルヒケンvs俺ケンの中足(しゃがみ中キック)のみの対戦を現在5戦目をこなしたところで冒頭にいたる。


この差し合いは完全に自力がモノを言うので何の予備知識がないハルヒが勝つのは難しいんだが…まずはノーヒントで練習だ。ノーヒントの状態から何かを掴む、掴もうとする癖を付けてないと後々困るからな。


対戦風景はいたって単純。

ハルヒが近づいて〜
ハルヒが〜中足空振って〜
ハルヒが(追い詰められて)画面端〜

ハルヒが〜決められた〜!!


という感じ。

なぜこうなるか、なぜ攻撃が当たらないのか、そこんとこをハルヒ君には考えて欲しい所だ。


隣の、長門vs朝比奈戦はダルシム対決でなんかカオスな事になってるけど気にしない…

強Pと垂直J早出し強Pの差し合いってなんやねん…



キョンは後ろで見学習。
この見学習だけでも強くなれる奴は強くなる。

とても良いポジションにいると思うぞキョン。

そんな事を思っていたら
「全然当たらないわ!つまんない!」と叫び、こっち側に回って来たハルヒ。



俺「んなこと言われてもな〜慣れてくればだんだん勝てるようになるぜ?」

ハルヒ「じれったい!サクッと強くなりたいのよサクッと!!」

俺「うーん完全にアンタの頭がどれだけ柔らかいかに掛かってると思うぞ(笑)。」
と軽くからかってやったのがマズかった。




ハルヒ「もういい!帰るわ!」

ありゃりゃ怒らせてしまった、しかもかなり。

キョンのほうを向いてみると「お手上げです」みたいな呆れたジェスチャーが返ってきた。

お前彼氏なんだからフォローしろよな〜とキョンを睨んでから、ハルヒに投げやりな声をかけた。

俺「ふうー、帰るのは一向にかまわんが俺とキョンの模擬戦を見てから帰れよ。」

ハルヒ「ふん!アタシはあんた達みたいな暇人とは違うの!!」

なんかジャイアニズム風味な返答が帰ってきた…

俺「まあまあそう言わずに見ていけよ、それに何も学ばずに帰るのはもったいないし」

ハルヒ「ないし?後なんかあんの。」

なんのきなしに言った言葉が地雷だった…




俺「帰る時は彼氏と帰んな」



ハルヒ&キョン「「な!?」」
二人の驚きの声が上がる、アレ?

ハルヒ「ちょっと、なんでアタシが(ry」
キョン「異義あり!断じて(ry」

この二人の焦り方を見る限り、標準的な両思いフラグじゃねーか!

隣の朝比奈にアイコンタクトで確認を取ろうとしたら、唇に人差し指を構えて既に答えを用事して下さってました。



やれやれこれだからむっつりは…てっ!「って襟首引っ張るな!あ、ボタンが!!ぐぇ「さっきの言葉訂正しなさいよ!わかった!返事は!!」

ぐぇ苦しい勘弁してくれ!!
なんか滅殺って感じで襟首掴んで微笑むな!!


俺「わかった、わかったから訂正するから離せ。ほらキョンも反対側回って!始めるぞ!」

「ハルヒはちゃんとそこで見てろ、そして俺がどうやってるかちゃんと盗め!」

「キョンはさっき見てたのを無駄にすんなよ!」




となし崩しに俺のペース。
計画通り!!
地雷踏んだ時はどうしようかと思ったが、なんとかなった!やったぜ!


その後なぜかハルヒに襟首を締められボタンがまた一つ消えたのは余談だ。

(早く差し合いの説明がしたいな〜)



--あとがき--
時病のすぐやる気無くす病をなんとか克服してリターン!!
涼宮ハルヒの憂鬱2009を踏まえて帰ってきました!!

と久々に書いたらまたキャラ達がシナリオ外の行動をし出したので話が進まない・・・

いろいろゴメン!でも最後までやるよ俺!



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